朝ドラ「純と愛」に出てきた三線のちょっといい話
NHKの朝ドラ「純と愛」。ネット上では賛否両論だそうですが、沖縄好きなので結局それなりに観ている今日この頃です。
(あらすじやキャストなどは公式サイトでどうぞ)
沖縄っぽい言葉やアイテムはちょこちょこ出てくるんですが、今日の放送で出てきた三線がなかなか「うまい!」と思いました。演奏がうまいとかじゃなくて、曲のチョイスがすごいなぁと。
今日の放送で、母親を助けようとして海に溺れた父親が、亡くなります。病院で父をみとる娘の心情のナレーションがこんな感じ。
「父の生涯、58年。私といっしょにいた時間、23年。なんて、短い時間しかいっしょにいられないのだろう」
そのあとのお葬式のシーンで、民宿のおばさんが三線を弾き語ります。
このときの曲のチョイスがすごい。
「てぃんさぐの花」という沖縄民謡です。
「てぃんさぐ」とは沖縄言葉でホウセンカのことで、その赤い花は爪を染める遊びに使われました。てぃんさぐの花が爪を染めるかのように、親の教えをこころに染めなさいね、というのがこの歌の意味なのです。
つまり、親のありがたさや親子の縁を讃える歌。まるでさっきの心情に呼応するようです。
またさらに、この父親というのが荒っぽくて口の悪い、皮肉ばっかり言う大阪のオッサンでした。だからやさしい曲調が余計せつないし、読みようによっては冗談めいた皮肉返しとも取れなくもない。
まちがいなく沖縄文化のアドバイザーみたいな人が製作陣に入っているはずですが、グッジョブだなあと。
三線の流れているシーンはそんなに長くなくて、さらっと風景として扱われていましたが、それでもけっこう印象にのこったのでした。
ところで自分にあてはめて考えてみて、もし実際に自分の親が亡くなったとき、葬式で「てぃんさぐの花」を歌えるかなぁ……?と思います。
私は、ちょっと痛くてムリそう。
やはり、ドラマならではのシーンですね。