確定申告、期限に遅れて提出したらどうなってしまうのか……?とあるフリーランスの実体験

独立してフリーランスを開業する前にクレジットカードを作ったほうがいい?

確定申告をしなくちゃ、と思っていたら仕事がばたばたと。あっもう年度末の季節だね〜と一生懸命こなしていたら、気づけばもう3月14日で……なんてこと、制作系のフリーランスならありそうな話。ぞっとしちゃう方、多いのではないでしょうか。

何を隠そうこの私も、確定申告の書類を期限を過ぎて提出してしまったことがあります。

とてもドキドキしました。もしかして罰金とか、もしかして事業を続けられなくなってしまうんじゃないか、なんて心配になってしまいます。結論から言うと、これだけは確実に言えます。

確定申告、遅れて提出したら、
ひたすらもったいない。

私の二の舞になってしまうフリーランスの方が減りますように!ということでこの記事では、確定申告を遅れて提出したらどうなってしまうのかをお伝えします。

実録!こんな経緯で確定申告書類の提出が遅れるのだ

いまを遡ること数年前。思い返してみるとナメてかかってるにもほどがありますが、なんか忙しかったりいろいろ抱えてたりで余裕がなかったんでしょうねえ。

3月14日朝「いまからやるで〜」←帳簿をまとめるのからスタート

3月14日夕方「さすがに今日中には終わるやろ」

3月15日昼「なんか計算合わへんで」

3月15日夕方「税務署閉まってもうた」

3月15日深夜「できたー取りあえずポストに放り込むやで〜ヘロヘロ」←頭湧いてる

事故とか身内の不幸とか、重大な理由じゃないのが悲しい。だって要するにだらしないってことですもん……。

余談ですが、確定申告の書類は郵送で出すことができます。そして消印の日付が期限当日なら大丈夫です。それは知っていたのですが、にしたって郵便局が開いている時間には済ませないといけませんな。

※税務署へ行って時間外収受箱に投函するという方法もあるそうです。読者の方から情報をいただきました。ありがとうございました。

確定申告を遅れて提出したら、税金が増えた!!!

数日後、私のところには税務署から控えが返送されてきました。「3月16日 受理」とハンコが押してあります。ああ、ちゃんと受理されたんだ、という謎の安堵感を得たのですが、問題はさらにこの後です。

「修正申告」にビビる

数週間後。税務署からお知らせの手紙が届きました。お手紙の内容はこんな感じ。

修正申告の指示
あなたは期限に遅れて提出されたので、65万円の青色申告特別控除は受けられません。よって申告された税額は間違っています。
訂正して返送してください。

うわあ!なんか怖い!

怖いけどしゃあないです。作業としては簡単で、ご丁寧に金額の修正をした書類を添付してくれているので、そこに確認のハンコを押して郵便ポストに入れるだけです。

さて、こうして確定申告をやっと終えたわけですが、じつはこの後の私の生活にもある影響がもたらされます。

遅れて提出した影響 その1 : 所得税を余分に払う。

税務署からのお手紙は「お前は65万円の控除は受けられない」と言っていました。一瞬ガクブルしましたが、落ち着いてよく読んでみると意味がわかりました。

青色申告の定義のひとつに「期限内に提出する」という項目があります。つまり、私は遅れたから条件を外れたのです。青色でなかったら白色が適用されて、10万円だけの控除が効きます。当初65万円の青色申告特別控除を受けるつもりで書いた書類ですから「修正しろよ」というわけですね。

控除額の変更のおかげで、当初の計算ではいくらか戻ってくる予定だった所得税も再計算され、逆にいくらか払うことになってしまいました。いくら儲けているのかわかってしまうので詳しい金額は言いませんが、あれがなかったらあと2回くらいは沖縄に行けたのにな……。

遅れて提出した影響 その2 : 今年の税金はなんか高いなぁ。

目に見える影響がもう一つあります。税金がちょっと上がるかもしれない。

控除できなかった金額は儲けにカウントされるから、その結果、所得をベースに計算するタイプの税金に影響を与えます。私の場合は住民税や国民健康保険料などがそうでしたが、前年は青色申告できちんと期限内に出していたので、この年だけ急に金額が高くなりました。

金額は生活に困るほどでもありませんでしたが、自分のミスのせいでこうなったというのがなんとも情けない。「まぁ、去年よりも世間に貢献してるってことで」と自分に言い聞かせるしかありません。

結局、確定申告の提出が遅れてしまったら、私はどうしたらいいの?

やっちゃったものはどうしようもない。追ってお上の沙汰を待てい。

できれば、二度と繰り返さないこと!「確定申告を遅れて出したって、税金を払えばそれで済むんでしょ」と思うかもしれませんが、連続でやると青色申告許可を取り消されちゃうこともあったり、ペナルティが加算されることもあるようです。ぜひ今後は対策をいたしましょう。

確定申告の提出が遅れないためには?

ペンと書類

確定申告の提出、遅れるとひとつもいいことがない、ってことはおわかり頂けたでしょうか。では遅れないためにはどうしたらいいか。思うに、基本的なことを守るしかないのではないでしょうか。

対策1 : 帳簿をちゃんとふだんからつける

制作系のフリーランスって仕入れとかないので、帳簿につけなきゃいけない内容もそんなに難しいものじゃないはずです。でも、だからこそ放っておいてもあまり実害がなく、確定申告の直前にいっぺんにやる羽目になりがちです。

私はあの経験のあと、経費と売掛だけは月に一回くらい入力するよう心がけるようになりました。もしくは「経費のレシートを台紙に貼付けること」だけは毎週やる、それくらい単純でも。それだけでもずいぶんラクになります。

何かを継続するのって難しいですね。帳簿つけも同じです。「イマイチ気分が乗らないとき・ヒマなときの息抜き作業」という位置づけでふだんの業務の一部に取り入れるのもひとつの手ではないでしょうか。

そもそも確定申告の青色って
「複式で日々ちゃんと帳簿つけをしている子はえらいね〜。税務署のチェックの手間も減るので、ごほうびに控除額を増やしてあげませう」
という制度であるはずなので、自ら青色を選択しておきながら帳簿をサボっていた私はとんでもないバカヤローです。帳簿につねづね入力すること、これは基本として外しちゃいけませんね。

対策2 : 早めに取りかかる

「確定申告は、お早めに」
とは毎年どこかで必ず目にする・耳にするフレーズですが、もう全くそのとおりでして。

お正月がきたら確定申告を意識する。これくらいでいいと思います。1月はちょうど支払調書が届く時期でもありますし、意識を向けるだけでも支払調書を無くすような凡ミスも避けられます(←私、これもやらかしたことがあるの。バカでしょー。ちなみに支払調書無しで確定申告するとどうなるかはこちら)。

対策3 : 税務署に相談する

期限直前になって「あっ、まだだったあああ!」ということになってしまった場合は、いちど税務署に相談してみたらどうでしょう

記事中に登場した修正申告(自ら申し出る場合は訂正申告)というもの、その存在を私はあのとき初めて知りました。とにかく期限内に提出、期限後にきちんと計算しなおして再提出する、というほうがよかったのかもしれません。

修正申告・訂正申告は本来ペナルティの対象です。しかしそれでも、間に合わないよりはマシかもしれない。どうするのがベストなのか自分で判断するのは難しいので、税務署に聞いて指示を仰げばいいと思うのです。

あのときの私だって、ひとまず深呼吸して税務署へ行き
「なんか間に合わないっぽいんですけど、私どうしたらいいですか?」
とひとこと相談しておれば、期限内に書類をまとめる裏技を教えてもらえたかもしれないし(そんなのあるのかどうか知りませんけれど)、修正申告でつじつまを合わせられることを先に知ることができたかもしれない。でも、ひとりで焦っていたので、それに気づくことはできませんでした。

とにかく、なんだかわけわからなくなって確定申告自体をスルーしてしまう、というのがいちばん良くない。よくわからなくなってきたら税務署に聞く。言うとおりにしていれば後で問題になることもほぼ無いでしょうから、オススメです。

※この記事は、Factory70 BLOGが別の場所で運営されていた頃に公開した記事をリテイクしたものです。この時期になるとアクセスが増えるテーマなので、よりわかりやすくお伝えしたくそのようにいたしました。

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