クリエイターEXPO直前。成果を上げるためには?準備できてなくても今からできる商談のコツ

商談会

クリエイターEXPO出展のクリエイターさんへ。直前でもまだ間に合う、すぐにでも気をつけられることを挙げてみるよ。

私がクリエイターEXPOに出展したのはもうだいぶ前だけど、ちゃんと成果は出た、って言っていいと思います。日本人誰でも知ってる有名企業の仕事とか、みんなも必ず学生時代にお世話になった老舗教科書のお手伝いとか、素晴らしい仕事に出会いました。しかもその一部はいまでも取引が続いています。

道具や展示のことは前にも書いたので、今回は商談をうまく行かせるための考え方や、行動のコツなんかを中心に書きました。参考にしてみてね。

目次

テーブルの上はすっきりさせろ

資料を広げてお客様と一緒に見ながらお話しする、商談テーブルはそのためにあるんだよ。

商談テーブルが雑貨屋みたいにびっしりゴチャゴチャしている人。アートイベントのつもりで来てるんだろうな、ってお客様から見てもひと目でわかる。そんな人と商談しようか、って誰も思わないんです。だってお客様はプロと話がしたいから。

商談ウェルカム!という意思を見せるために、商談テーブルの上はすっきり片付けておこう。

黒か紺のジャケットを着ろ

コスプレとか、すんごいヒラッヒラのワンピにベレー帽とかで行こうと思ってる人。

ちゃうねん。そういう目立ち方しても意味ないねん。

クリエイターとちゃんとした取引しよか、と思ってるお客様はみんな会社員さんやねん。その人らに「あ、このクリエイターちゃんとしてそう、話してみよ」って思ってもらってなんぼやねん。

だから普段の自分の趣味全開で行くのは損やしお門違いです。「ちゃんとした商談がしたくてここへ来ましたよ」ってひと目見てわかる服を選ぶほうが断然得やし正解です。

スーツ持ってる人はスーツ。持ってない人も黒か紺のジャケット着てください。ユニクロGUしまむらで十分です。

だまされたと思って、「胴装備」やと思って着てみ。
ほんまにナメられなくなるから。

ヒマだからって作業すんな

どうしても手持ち無沙汰になってしまう時間帯があるのはしかたないけど、そのあいだにMacBookで作業してたり、俯いて本を読みふけったりするのはやめましょう。なぜなら「こっち来んなオーラ」が出るから。

そういう様子を見て周りの人は「なんか、商談とは別の目的で来てはるんやろな……」と思ってます。当然、商談しましょう!って来てくれるお客様も少なくなり、手持ち無沙汰の時間はさらに増え、以下ループ。

ヒマなときは通りすがりのお客様にチラシを配ってみるとか、無ければ「こんにちは」って笑顔で挨拶するだけでもいいし。お話伺いますよー、ウェルカムですよー、という雰囲気を出しておく。

それができる人がたっかい出展料のモトを取れるんです。人見知りとか損でしかない。

お昼は朝のうちに買って持っていけ

会場の敷地内にあるコンビニもカフェも、お昼は信じられないくらい混み混みです。おにぎりとお茶買うのに30分並ぶなんてアホらしすぎるから、私は朝会場に入る前に買って行って自分のブースで(もしくは休憩スペースで)食べるようにしてました。

お昼の時間帯はむしろ会場内が若干空くから、逆にゆったり商談できるその時間。活用すれば気持ちに余裕が出るよ。

まだ展示の準備ができてない?ぶっちゃけいらんで!

壁面に展示するものが準備できてない!あと3日しかないのに!どうしよう!と焦っているあなたへ。

まずは落ち着け!

ごっつい凝ったポスターなんか作っても、お客様は細かい部分まで見てません。だいいちイラストレーターたちがここぞとばかりに原画を飾りまくってて、会場内の風景は死ぬほどゴチャゴチャしてるんです。

私の見立てでは、シンプルで文字がでかいやつの勝ちです。

自分の得意なことを5つくらいのキーワードにして、A3の用紙何枚かで文字だけの張り紙を作るといいですよ。そんくらいなら移動時間でMacBookでできるし、その辺のコンビニでプリントしちゃえば終わり。

商談会っていうのは、作品を見て見て!する会ではなく、お客様とおしゃべりして信頼を得る会です。行ってからの時間のほうが大事。準備できてないからって悲観しないでいいよ。

「現物」を持っていけ

書籍の制作に携わった人はその本を。
製品のパッケージを作った人は製品そのものを。
パンフレットを作った人はそれを。

商談会の強みはお客様と直接お話ができること。そのような場で、現物に勝るプロモーションツールはありません。

イラストやデザインの人にありがちなんだけど、ポートフォリオがただの画集になっちゃってる人いるよね?絵とか作品そのものをとにかく見てほしい、そして評価してほしい、って考えでは仕事ゲットは遠い。

あなたの作品がどんな媒体でどうやって使われたのかを示されなければ、お客様は納得しない。それが、現物があれば一発で伝わる。見せて「この部分の、これ、私の仕事」って言えばいいだけ。

実績がまだない人はどうしたらいいか?しかも直前で?

とりあえず、本屋で本と雑誌を何冊か買っていけ。こんな仕事がしたいんです、って言うために。

お客様と、お客様じゃない人を見分けよう

来場者の全員が、クリエイターとの商談をしにきた人とは限らない。

いまもあるのか知らないけど、私のときは来場者は自分の立場を示したパスを首から提げるのがルールになっていました。チラシを配りながら観察していたけど、「読者」の札を提げた一般来場者もまあまあ多かった。ギャラリー感覚で楽しむんだろうね。

一般人が悪いとは言わんにしろ、商談にはならない。私たちのお客様は「出版社」とか「IT」とかの札を提げた人たちなので、チラシや資料を配るならその人たち(またはそれっぽい人)を狙おう。

お客様じゃない方に即刻お帰り願うには

たまに「珍客」が来る。クリエイター志望なんですけど〜作品見せてください〜とか、クリエイターさんとアート的なお話をしたくて各ブースを回ってますとか。商談にならないおしゃべりは時間がもったいなくてあまりしたくないものだけど、こういう方にかぎってなかなか帰ってくれない。

帰ってもらうには、正直に伝えるのがいいように思います。「今回は出版社さまとかと商談するためにきてるんで、そういうの対応できないんですよ、スンマセン」と、シンプルにはっきりと。

あとクラウドソーシングサイトとかストックコンテンツサイトとかの営業も来ます。でも営業は心得てるから結構すぐ帰ってくれる。やらんけど。

良くない客は完全には避けられない

クリエイターEXPOの来客の一部に、クリエイターに仕事を出そうとは思っているが、まともな取引をしようとは考えていない人たちが存在します。

むりやり名前をつけるなら「クリエイターを格安下請業者としてこき使いたい勢」または「買い叩き前提で探してる勢」。
考え方は人それぞれですがここでは「良くない客」って言ってます。

こういうところの仕事を請けるとトラブルの確率がうんと跳ね上がるのはみなさんご存知のとおりですので、ぜひとも避けたいものです。

じゃあどうやって避けるか。

見た目はだいたい他のまともな企業人さんと変わらない。ポイントは商談が始まってから。これを聞いたら「ダメだな」と思ったほうがいいセリフってのがあります。

「今後また仕事回すから安くして」「ボリュームディスカウントして」「概要は全く決まってないけどまず見積ください」などなど。
皆さんも仕事の経験上それぞれにご存知でしょう。

だけど、そこさえ気をつけていれば必ず防げるかというとそうでもない。商談はまともそうな感じで進み、数ヶ月後仕事を頼みたいとメールが来たのでやったーと思っていたら、「ちなみに他にも声かけてますので」って言われるパターンもあります。「格安の値段を提示したら使ってやってもいいぞ」っていう意味ですね。

これは商談の時点で予見できたかというと、わりと難しいでしょうね。

アグレッシブにいろんな人と話しまくっている人ほどそういう体験をしやすいと思います。かといって良くない客を避けることに敏感になりすぎては、チャンスを逃してしまう。

ある程度は仕方ないもの、どうしても遭遇してしまうものと割り切るしかないでしょう。あとは実際に仕事の声がかかった時に判断すればいいですから。

上客に出会うには数打て

悪い話が続いてしまったけど、悲観しないでほしい。冒頭で書いたように、私は上客にもちゃんと出会えたから。

どうやったら上客に出会えるかというと、数をこなすこと。商談数を増やすこと。それしかないように思います。

ここまで書いてきたように、良くない客は完全には避けようがない。でも上客もいます。お客様の質は玉石混合状態で、その中から玉=上客に出会うためには、できるだけチャンスの数を増やすしかない。

もちろんお客様一人一人の商談をちゃんとするのは当然だし、一日の時間にも限界があります。でもコツはあります。それが心理的な作戦です。

たくさん商談をしたいならば、いつも商談テーブルに誰かが座っている状況を作ることです。商談しているところには次の商談相手が来るからです。

そのためにはそもそもまず、お客様が座って商談でき、ポートフォリオを広げて見ながらゆっくり話せる場所をきちんと整えることです。テーブルの上を雑貨店にすんなってのはそういう意味です。

それと「この人とはまともな話ができそうだな」って雰囲気を出すことです。そのためにスーツ/ジャケットであり、こっち来んなオーラを出すな、です。

服装とか展示の話を読んで「そんなの個人の自由でいいじゃん」って思った人も結構いると思います。でもそれは全部ここにつながってます。服装も、展示も、それらはすべて上客に出会うために必要なコツなんです。

夜は名刺の整理をして、早く寝ろ

遠方から泊まりがけで出展する人。夜は名刺の整理をしてさっさと寝るのがオススメです。日中たくさんの人と話すと、結構疲れるから。

前述の「ダメだな」って思った客はスルーでよいとして、その他はできるだけ早くお礼メールを送ってください。MacBookある人はそのために持って行っておいてください。

帰ってからだと、疲れてたり、家を空けたぶん雑事が待ってたりで、意外と余裕がないものです。私はホテルでその晩中にやっておいたのでラクでした。

あと、お礼メールだけで終わらせないのも重要。長くなるので割愛するけどこれは結構大切だったので、いただいた名刺はそのままにしないで、Mac/PC内のアドレス帳にちゃんと登録して、いつでもメールを送れるようにしておく。

ポイント

この記事でとくに伝えたかったことは次のとおり。

  • 上客に出会うには、商談をたくさんすることが必要。
  • そのために、商談ウェルカム!という意思を見せる。
  • そのために、スーツ/ジャケットを着、テーブルの上をすっきりさせ、ヒマな時もにこやかに。
  • 良くない客は必ずいることを覚えておく。でも避けきれない。

ではではクリエイターの皆様、成果が上がりますように。グッドラック!

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