キーボードショートカットは手に負担?腱鞘炎が気になるデザイナーさんにぜひ使ってほしい左手デバイス「Orbital2(オービタル2)」
キーボードショートカットをガンガンに使いこなせることは、デキるデザイナーの証!でも、仕事が忙しくて腱鞘炎になってしまうクリエイターさんは少なくない。
そんな人にぜひ使ってほしい左手デバイスを見つけたので、徹底的に調べてみたよ。クリエイティブ系PC作業を劇的に変えてしまう!とか。なんか凄そう。
目次
キーボードショートカットは、実は手にかなり負担をかけている?
デザイナーさん、イラストレーターさん、映像クリエイターさんなど、クリエイター職のみなさんがあたりまえに使いこなしているキーボードショートカット。
なんと、じつは手にかなりの負担をかけるそうです。
ほんまでっか?
右手にマウス、左手にキーボード。
イラレ・フォトショ使いの王道ホームポジションといえばこれですね。
キーボードショートカットをどのくらい使うかは人やアプリによるけど、全く使わないってクリエイターさんはほとんどいないでしょう。できる人ほど左手フル稼働な傾向が。いちいちマウスでメニュー引っ張ってくるの、めんどくさいもんね。
ないと困るキーボードショートカットが、手に負担をかけると言われても、困ってしまうんですが……しかし。
指にとって自然な動きとは決して言えない
キーをふたつ、またはみっつ押す。指を変な位置へ伸ばしたりしつつ。コマンドとオプションを親指と小指で押して、残りの指で3とかTとかUを押す。
少なくとも指にとって自然な動きとはいえないし、どう考えても楽な動きではない。
思い返せばうん十年前、初めてイラレを習ったとき、キーが3つのキーボードショートカットなんて「こんなもん、どうやって押すん??」て思ったものだったよね……慣れちゃったけど。
たしかに、知らない間に手に負担をかけているかもしれんなあ。
試算してみたらわりとやばかった
大したことなさそう?と思うけど、いちど試算してみよう。
Macでイラレの作業をしているとき、1分間に10~15回くらいはキーボードショートカットを使っているとしよう。特別多くはない数だと思う。
1時間では、900回くらい。
1日なら、少なめに見積もって6時間作業とすると、5,400回か。
1ヶ月なら、20日間働いたとすると、108,000回。
1ヶ月に108,000回。
けっして左手にとって自然とはいえない動きを、10万回。
10万回?!
大好きな仕事を続けるために、身体をいたわってほしい
こう考えると、なかなかどうして無視できなさそうだ。
だって、身体に負担をかけるのって、いつも決まって「ちりもつもれば」という奴なんだよね。ふだんの歩き方が悪くて膝が良くない、とか。毎日長時間座って仕事をしているけど、姿勢が悪いのかいつも腰が痛い、とか。
クリエイターさんなら、耳が痛い人多いはず。
20歳代でも腱鞘炎にかかってしまうクリエイターさんとかね。あなたの周りにもきっと数人いると思う。
腱鞘炎でMacを触るのがつらい、ってなってしまったら。フリーランスなら速攻おまんまの食い上げだし。会社員デザイナーだって、自分にしかできない仕事も多くて、休んで周りに負担をかけるのが辛かったりもするんよね。
好きで就いたこの仕事。
もっとクオリティを上げたい。この仕事にずっとたずさわっていたい。
そんな思いが叶うのは、身体を大事にしてこそなのよ。
うん。クリエイターさんはもっと自分をいたわってほしい。
左手デバイス導入……でも品質はピンキリ
とはいえ、キーボードショートカットがないと仕事にならんではないですか。
左手デバイスを導入してみよう。左手デバイスというのは、その名の通り(右利きの人の場合)左手側に置いて使う小さい入力デバイスで、キーボードを半分にしたような形をしているものが多いです。
ダイヤルやジョイスティックを備えているのもあって、ゲーミングパッドって呼ばれていたりもします。きっと読者の皆さんの中には活用している人もいると思う。
キーボードショートカットをアプリケーションごとに登録したり、ダイヤルによく使う操作を割り当てたりして、普通のキーボード操作よりいろいろ便利に使えるのが左手デバイスです。
ところが左手用キーボードだと、キーボードショートカットが手に負担をかける問題の解決になるとは限らないのですね、残念ながら。結局キーボードショートカットを押すならば、その点は普通のキーボードも同じ。
また安価な左手キーボードは品質がピンキリで、せっかくダイヤルやジョイスティックがついていてもいまいち動きが悪かったりもするもので、満足いくデバイスに出会うのは案外苦労するもんです。
Orbital2なら親指をチョコっと動かすだけ。手が脱力した状態で扱える
そんな中オービタル2が画期的だなと思ったのは、基本の操作が親指をチョコっと動かすだけで済むってところ。
オービタル2は、太短いジョイスティックみたいなものが備わったシンプルな形状です。左手デバイスとしては今のところわりと珍しい形。
持ち方は使用中の動画を見てもらえればわかるとおり、特別がっつり握るというわけでもなく、ほんわり添える感じ。親指でスティックを軽く動かして操作します。
オービタル2を導入すると、月10万回の左手のキーボードショートカットが、いつも手が脱力した状態のラクラク操作に置き換わる、というわけですね。
見た目はクールだけど、とっても優しいデバイスなのです。
多くのクリエイターさんが注目中
Twitterでの反応を集めてみました。腕や手を痛めて困っていた……というクリエイターさんの声に胸を打たれる。
今のところ映像クリエイターさんに特に人気ということです。プレミアやアフターエフェクツを使う人にとっては特にマッチ度が高い模様。
もちろんイラレやフォトショやインデザにも対応してるし、Adobe製品だけじゃなくって主要なペイントソフトはだいたい押さえているから、漫画家さん、イラストレーターさんの声も多く挙がっています。
オービタル2、どうやって使うの?
まずは、公式動画がわかりやすいので紹介しておくよ!
動画の内容を要約すると、オービタル2には3つの部位があって、それぞれの役割を使いこなしていくことでいろんな操作が左手のちょっとの動きで済むようになるよ!ということ。
- Orbital Engine……スティックの部分。倒す、回す、押す、の動きができる
- Flat Ring……台座の上の部分に配置された8つのスイッチ。それぞれにオーバーレイメニューを割り当てられる
- Glow Ring……台座の下の光るリング。状況によって色が変わる(カッコイイだけというわけではない)
ちなみにオービタル2は左右どちらでも使える形状なので、左利きの人にもおすすめ。
耳かきみたいに細かいところまで設定できる
Orbital2の3つのセクションの機能は、全て専用アプリで設定できます。
また、いまどのアプリの設定を使用中か?というのが光の色でわかるようになっていて、この光の色もお好みで設定できる。
アプリケーションごとにプロファイル(設定)を割り当てることができて、現在有効なプロファイルは下のグロウリング(光っている輪)の色で判断できる。色はRGBで自由に設定可 #orbital2 pic.twitter.com/yxOjgIKgxy
— 有田 満弘 9/6 オルタージェネシス (@MitsuhiroArita) December 21, 2018
いっこずつ設定すんの?それめんどくさくない?と思った人には、アプリケーション別のおすすめ設定も用意されているので、すぐに使い始めることも可能です。
どう?設定、めんどくさそう?
いや、なんやかんやでその逆で、この細かい設定っぷりがハマるって向きもクリエイターさんには多いに違いない!って思います(私もどちらかというとハマるほうです)。
ペンタブレットやどんなアプリもそうだけど、いろいろ設定を調整していくことで、自分だけのデバイスに仕立て上げていく。道具ってさ、面倒だけどそうやって使うもんだよね。そこはクリエイターさんなら、職種問わず理解してもらえると思う。
設定マニュアル等はポータルサイトへ
公式サイト Orbital2 Portalには設定アプリの配布もあるので、その中身だけ先にチェックしてみることも可能です。またPortalでは導入マニュアルも備わっています。しっかりチェックしてみたい方は一読をおすすめします。
Orbital2 Portal | BRAIN MAGICちなみに、オービタル2を使い始めるまでに、2種のドライバーソフトのインストールと、キーボード設定の簡単な操作が必要だそうです(Macの場合)。
クリエイター的QOL向上も夢見せてくれるデバイス
正直なところ、Orbital2を導入したからってキーボードが全くいらなくなるとまではならない。文字どうすんのって話だからね。
ただ、クリエイティブ作業により集中できるようになることは間違いない。
集中力が上がれば、仕事の質も上がるから、長時間残業がマシになったり、報酬もよくなるかもしれない……なればいいな!なんて、クリエイター的な生活向上も垣間夢見せてくれるデバイスなんて、長年やってるけど初めて出会ったわ。そういう意味でもすごい製品が出てきたな〜と思うわけです。
Orbital2を買うには、公式ストアで
気になる人はまず開発元ブレインマジックの公式ストアをチェックしてみよう。今んとこAmazonとかで探しても売ってないからご注意だよ。
体験イベントも行っているから、買うかどうかは別にして、まずは体験してみてほしい。あなたも惚れるかも。