「年収が1000万超えてないから消費税を請求してはいけない」がどれほど変か、というたとえ話

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制作料の請求について「自分は年収が1000万円超えてなくて、消費税を納めてない立場だから、消費税を請求してはいけないと思う」とか謎なことを言い出すフリーランスを見かけてびっくりしたので、ひつこいけどまたこの話です。

「免税事業者だから消費税を請求してはいけない」っていう考え方がどれほど変か、というたとえ話をします。

商店街でお買い物をしたとしましょう

商店街で買い物

あなたは商店街の果物屋へ行きました。お金を払うとき、お店の人がこんなことを言いました。
「うちね、個人商店なんですよ。法人じゃないんです。でね、免税業者なんですよ。だから消費税分はいりません」

あなたは消費税分を払わずに店を後にしました。

次は肉屋へ行きました。あなたは店先でこう言います。
「お宅って免税業者?納税業者?個人?法人?」
肉屋は「うち免税業者で個人商店です」と答えます。するとあなたは「だったら、消費税分はまけなさいね」と言います。

あなたは消費税分を払わずに店を後にしました。

あなたの町では、こんなシュールな光景が繰り広げられているのでしょうか?ほとんどの人が「そんなやつはおらんやろ」と思ってくださったと信じたい。でも「免税事業者だから消費税を請求してはいけない」というのはこういうことです。それくらい、変なんです。

免税業者かどうかと「請求していいか」は関係ない

もし、さきほどの肉屋が「うち納税業者ですから」と言ったとしましょう。あなたはそれを聞いてしぶしぶ消費税を払うのかもしれませんが、本当に納税業者なのかよ?と思ったあなたは、それを証明することができますか?税務署なら真実を知っていますが、理由もなく肉屋の税務情報を教えてくれるはずはありません。

このように、「請求側が免税業者か、納税業者か」を根拠に請求の有無を決めようとすると、いろいろおかしなことになってしまいます。だから消費税はそんなしくみにはなっていません。

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ではどういうときに消費税がかかるのかというと、国税庁のウェブサイトにはこう書いてあります。「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」。つまり、もしあなたがフリーランスとして開業した人であるならば、すべての取引です。

したがって、常に消費税を乗せて請求するのが当然です。開業したてとか確定申告が青か白かなどは関係ありません。それらの要素で請求権の有る無しが変わるなんて、どの法律にも一行すら書いてありません。

「個人には消費税を支払わない」と言われたら「納税業者なんで」と言って切り抜ける

以上のことを利用して、取引先から「個人で免税業者なら消費税を請求するな」と言われた場合の対処法が導けます。「うち納税業者なんで……」と言って通せばOK。個人事業主でも納税業者の要件を満たせるし、開業直後でもわざと納税業者になることができます。

たしかに、うそを言うのだとしたら気がひけるけど、消費税を請求することじたいは全くもって合法ですし、「個人には消費税払わない」というほうが違法の可能性があるのですから、気にしなくて大丈夫です。これで通らなかったら「じゃあ、公正取引委員会に報告しますね」で解決です。

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