イラストレーターってどういう仕事なんですか?

大根のイラスト

大根のイラスト

意外と、イラストレーターっていう職業が何なのか、知らない人が多いんですね。

最近いろんな方とお会いして話していて、なんか、そう思いました。なので、説明してみようと思います。

よく聞かれること

「イラストレーターです」って自己紹介すると、よくこういうことを聞かれるんです。

芸術家(アーティスト)なんですよね?
芸術家じゃないです。
絵を描いて、画廊とかで売っているんですよね?
売ってません。そういうのする人は「画家」です。ただ、個人的に売ってほしいという人がいたら売ります。
画壇とかに所属しているのですよね?
所属してません。「画家の先生」と混同されてます?

萌え絵を描いているんですよね?
描きません。
萌え絵を描く人をイラストレーターって言うんだと思ってましたけど、違うんですか?
違います。それ専門の人は別に「絵師」とかって名乗ってはります。私たちも面倒くさいから分けてほしいです。
好きでやってるんだから、タダで描いたりもするんですよね?
しません。商売でやってるんで、お金くれないと描きません。
ああ!Adobeのソフトのことですよね?
違います。職業の名前です。

そう!ようするに、ほとんど勘違いされてるってこと。

周りにイラストレーターという職業の人がいない、という人が多いので、しかたないのですけど、だったらちゃんと声を出していこうかなーって。

じゃあ、何の仕事してるのよ?

私たちイラストレーターは、依頼に応えて絵を制作する仕事です。商業媒体で利用する絵を描きます。

雑誌とか本を読んでると、挿絵が入ってることありますよね?ああいうのを描くのがイラストレーターです。雑誌・書籍・広告・パンフレットやポスターなどの販促物、などなど。

本や雑誌の編集をしている方とか、デザイナーとかアートディレクターの方から依頼されて仕事をするんですよ。

その他、たまにウェブサイトだったり、変わったところでは、私は料理の絵が得意なので、レストランのメニューの挿絵なんてのもあります。

ホーカーセンターでのお食事。酢豚的なやつ。

「画家じゃないのか」って言われたら、絵を描く仕事という面についてだけいえば、同じってことで合ってます。

ただ、何が違うかというと、絵そのものをギャラリー等で売っているイメージを持つ人もいるかもしれませんが、イラストレーターは基本そういうお商売はしないということです。

画材何使ってるかは、関係ない

画家と言えばカンバスを前に腕組みしてる人(笑)を思い浮かべる方も多いでしょうが、イラストレーターは仕事のスパンが非常に早いので、カンバスや油絵で描く人がほとんどいません。

ただし、「こういう画材を使って描く人のことをイラストレーターと言う」みたいなものはありません。デジタルツールを使って描く人、イコール、イラストレーター、なんていうこともありません。デジタルの人もアナログの人もいます。

職業は「イラストレーター」、Adobeは「イラレ」

それと、「イラストレーター」という名前のコンピュータソフトウェアがありますが、それはAdobe Illustratorのことで、職業を指す「イラストレーター」とは異なります。

以前「Illustratorを使いこなす人のことをイラストレーターと言うのだと思ってた」みたいな人に遭遇したことがあるけど、それはさすがに知らなさすぎでしょ……と思いました。

SPグッズ、ノベルティ
イラストレーターがイラレで描いたイラスト

「イラレ」って略語がウザい?でもこれは仕方ないんだ

私たちは職業のイラストレーターを「イラストレーター」、Adobe Illustratorのことを「イラレ」と呼びます。そうすると「イラレと略すやつ、クリエイターぶっててうぜえ」なんて苦言が聞こえてきたりもするのですけど、これはしゃあないのですよ。

本や販促物の編集現場にはどっちもあるので、かなり混同しやすいんです。社内のデザイナーがIllustratorを使いつつ、外注のイラストレーターを呼び出したりするわけですからね〜。

だからたぶん、この略語は今後もなくなりません。ウザいって思ってる人、ごめんなさい。

グラフィックデザイナーとはまた違うの?

基本的には違う、と思ってください。

日本国内でグラフィックデザイナーと名乗っている人で、絵は描けない、という人は結構いっぱいいます。

また、イラストレーターと名乗っている人で、デザインレイアウトが苦手、という人もわりといます。

イラストレーターは絵を描く人、グラフィックデザイナーはそのイラストの入った全体のデザインを作る人、というケースが多いのかな。

いろんなクリエイターがいるので、個別に知っていく方が得ですよ

「イラストレーター」と「グラフィックデザイナー」は、作るものの境界線を探るとわりとあいまいで、分類しきれないケースもたくさんあります。なので、そこをいっしょうけんめい議論したところで、全体を100%把握できるわけではなく、あまり意味がないんじゃないかなあって。

それよりかは、そういう人とつながった時に「その人には何だったら頼めるのか」を個別に理解していくほうが簡単で、実務上便利なのではないでしょうか。

ちなみに、niaoはイラストもデザインもどっちもやります!

私はイラストも描きますが、全体のレイアウトをやることもあるし、ロゴを作ったりもしますよ。こういうふうに、両方できる人というのも、数は少ないですがいるんです。
さらにウェブサイト制作やプログラミングまでできる人間っていうと、かなりの希少種ですよ。

例えばこのお仕事では、イラストレーション、ロゴを含むデザイン全般から、ウェブサイト設計、WordPressテンプレート化までやらせて頂きました。
例えばこのお仕事では、イラストレーション、ロゴを含むデザイン全般から、ウェブサイト設計、WordPressテンプレート化までやらせて頂きました。

イラストレーターという職業について、お分かり頂けましたか?

もしあなたがイラストレーターという職業の人とつながったとき、理解の助けになれば幸いです。

イラスト制作例はこちら [Factory70 Illustration]

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