[ニューカレドニア一人旅日記:8]地元のおばちゃんと無限ループの罠
イルデパンに着いた翌日の朝、カヌメラ湾へ歩いて向かった。宿から最も近いのがクト湾で、砂州をはさんだすぐとなりがカヌメラ湾という地理なのだが、このふたつの湾は全く表情が違う。
クト湾は真っ白で広い砂浜が広がっていて、のんびり泳ぐのにいい。一方のカヌメラ湾にはびっしりとサンゴが生えている場所があって魚が多く、シュノーケリングに最適。私はやっぱり魚と泳ぐのが好きなので、翌日にもかけて堪能した。
昼頃に雨が降ってきて、いい頃合いだしランチにしようと思った。近くに海の家みたいなつくりのカフェレストランが見える。そこへ行ってみたら、満席だった。
ちょっとのあいだ店内を眺めていたら、近くの席にひとりで座っていたおばさんが、私を見て自分のテーブルを指差す。相席しなさいということだ。
カラフルな長いムームーを着た地元のおばさん。ありがと、と言っておばさんの向かいに座る。普段着のおばさんは特別ニコリともしない。
斜め向かいのテーブルでは、フランス人ぽい若い男の子が、一番安いメニューのバゲットサンドをほおばっている。目が合って、ハァイと笑顔を交わす。
向かいのおばさんは迫力があってちょっとコワいが、感じが悪いわけではない。どこに泊ってるんや、とか、お前は韓国人か、などと質問してくれる(なぜか、この島では東洋人といえば韓国人が一番メジャーな存在らしい。他でも聞かれた)。計らずも、楽しいというか面白いランチタイムになった。
さて、翌日はついに帰国の日。昼までまた海を堪能して、お昼を食べてから帰り支度をすることになった。
クト湾のなかほどにレストランがあった。本当に田舎なので(そこがいいのだけど)、昨日のカフェとそのレストランしか選択肢がない。違うお店にしようか、と思ってレストランに入ってみたら、ビュッフェスタイルで3000円くらいするという。どうやらホテルのレストランのようだ。なので座らずに出て、やっぱり昨日と同じ店へ行った。
満席だった。
すると近くの席にひとりで座っていたおばさんが、私を見て自分のテーブルを指差す。なんと…昨日と同じおばさんが、昨日とおなじ席に座っている。
斜め向かいのテーブルでは、フランス人ぽい若い男の子がバゲットサンドをほおばっている。目が合って、ハァイと笑顔を交わす。なんと…昨日と同じ男の子が以下略…って何コレ?デジャヴュいうやつか?!ループ?ループしてんの?
昨日とちょっと違っていたのは、ここにもうひとりのお客さんが相席したこと。あと、おばさんに写真を撮っていい?と言ったら少しだけニコリとしてくれたことだった(笑)。
ループしていてくれても一向にかまわなかったけど、残念ながらそんなSFのようなことは起こらずに、予定通りその晩帰国したのでした。
これでニューカレドニア一人旅日記シリーズは終わりです。一人旅は現地の人とからみやすいのがたのしいところ。ぜひ一人旅、してみてください。