Amazonの画像には映らないデザインの話
「Amazonでしか本を買わない」という人、最近は多いかもしれないですね。
もしかしたら、微妙に損してるかもよ!
なんでか?本の装丁にはすてきなものがいっぱいあるのに、ウェブ上の画像を見ているだけでは結構気づけないから。
例えば、私が今日本屋で見つけた「『ワル姫さま』の系譜学」という本。
Amazonの画像ではこんな具合。
単に宝石の模様が並んでいるだけにしか見えません。
ですが、実は…
全ての宝石がホログラムになっています。きらきら!
さらに、裏表紙にも宝石がクラッシュしたような模様がきらきらしてます。
この本はフランス王家に登場する悪女なお姫様達を紹介する歴史本ですが、内容にマッチしていてかつ奇を衒わないデザインです。上品でウマいですよね。
ほかにも紙の手触りや厚み、行間の置き方、などなど。
本屋で手に取らないと分からない、すてきなディテールが実はいっぱいあるのです。
……まあ、「だからどうしたのよ!」と一部の方には言われちまいそうな気がしますけど (ノ∀`)
デザインは「出会い」を連れてくるよ。
ところで、誰かに確認したわけじゃないんですが、Amazonで売るか本屋で売るかでデザインの重みが違う、ってことがもう起こっているんだろうなぁと思います。本屋で手にする層がターゲットであれば装丁にも予算をかけるけど、Amazonで売れることを主眼に置いていればデザインに凝ってもあまり意味がない、みたいな。
きっとそういうわけで、Amazonで買う層向けの本が本屋に並んでいると「なんやーだっさいなあ!」と逆に強烈な印象を残してしまう、ということが起こってしまうのでしょうね。言いにくいけど、じっさいIT系ネタの本ってイケてないのが多くって…。
もし、デザインに凝らない本ばかりになってしまったら、つまらないなあと思います。そりゃこのご時世、本を作るのに予算が有り余っているなんてことはほぼ皆無でしょう。
でもデザインには、例えばさっきの本でいえば、フランス史にそれほど興味のない人間を振り向かせる力があるのです。美人が目を引くのと同じですね。
そういえば、Amazonでしか本を買わない人って、もしかして「ジャケ買い」の楽しさをご存じないのかしら?
知らないジャンルの本に見た目でひとめぼれしてみるのも、いいもんですよ。その結果、興味の幅が広がったりして。恋人が変わると趣味が変わる、みたいなさ。本屋って、そういう出会いのチャンスがあるところが私は好きです。