フリーランスがバーチャルオフィスを使うメリット

オフィスのイメージ

フリーランス(個人事業主)でバーチャルオフィスを使い出してだいたい4年くらいになります。この間どういう使い方をしてきたかとか、こんなところが便利だった、というお話をちょっとまとめてみました。

バーチャルオフィスを使っていて良かったこと

自宅住所を公開しなくていい

バーチャルオフィスを使いたい人の一番の理由がこれでしょう。バーチャルオフィスの住所を事業所の住所として使えるので、名刺やウェブサイトなどに自宅の住所を載せずにすみます。

引っ越ししてもめんどくさくない

自宅の住所を公開しないメリットが、もうひとつあります。自宅を事業所にするのだったら、引っ越しをするたびに周りにお知らせをしないといけません。名刺やウェブサイトの表記も直す必要があります。ところがバーチャルオフィスの住所があれば、引っ越しのたびにその手間を負う必要がなくなります。

私は現にこの4年で2回引っ越ししたので、この点は大きく便利でした。

名刺交換のとき、強い印象をつけられる

これは意外に他では得難いメリットのように思います。名刺交換のとき、ほんとうによくツッコミを入れられます(良い意味で)。

私の使っているバーチャルオフィスは大阪の梅田にあるのですが、名刺を見た相手に「梅田に事務所を構えられてるんですね!」と言われることがすごく多いです。常駐しているわけじゃないんですよ〜と毎度説明はするのですが、それ以上に初見のインパクトは強いみたいで、数年経っても「そういや梅田だったよね」と覚えていてくれるお客様もけっこういます。

会議室は色々使える

これは利用するサービスによって変わってきそうですが、私の使っているバーチャルオフィスには会議室と打ち合わせ室の利用権が月に数回分ついています。もちろんお客様との打ち合わせに使うのが主な目的ですが、セミナーなどに使ってもいいそうです。

打ち合わせはお客様先へ行くほうが圧倒的に多いので、使用権はだいたい余ります。だったら、消化するためになにかイベントを考えるという逆の発想でいろいろ広げてみるのも、アリかもしれません。

引きこもり防止

郵便物を時々取りにいかなきゃならないので……(笑)。

バーチャルオフィスのデメリット……?

では、メリットがあれば逆にデメリットもあるのか?という話です。私はバーチャルオフィスを使っていて特にデメリットは感じません。ただ、思っていたのとちょっと違う点は、人によってはあるかもしれません。

交流とかは一切ありません

流行りの「シェアオフィス」や「コワーキングスペース」と混同している人が多いので、人から聞かれた時に答えるのがちょっとめんどくさい。シェアオフィスは場所を間貸ししてくれるところ、コワーキングスペースは他の人たちと共同で働く場所です。バーチャルオフィスにはそういった機能は一切ありませんので、交流を期待するならよそへどうぞ、です。

営業時間短い、超事務的

これはサービスによって違いますが、私の使っているところは17時半でしまっちゃう。郵便物を受け取りに行くのも営業時間内でなくてはならず、かといって自宅へ転送してもらうとぼったくりな手数料がつくのでイヤ。郵便物を取りに行くときは夕方までに予定を合わせるようにしていますが、ここはちょっと不満なところです。会社員の副業で使う方などは取りに行くのは難しいのではないでしょうか。

あと事務員さんの対応はほんとに事務的です。秘書的なものを期待してはいけません。

バーチャルオフィス、フリーランスとしてこう使ってきました

私がバーチャルオフィスを使い出したきっかけは、ある種のトラブルでした。謂れなきクレームの電話やメールがひっきりなしに来て、もしかしたら自宅にまで押しかけて来られるのではとビクビクしていた時期がありました。女の一人暮らしだった当時、その状況とはなかなか恐ろしいもので、それで自宅の住所を公開するのはやめよう、と思ったのです。

ネガティブなきっかけではあるのですが、自宅住所を公開しないという本筋以外にもいろいろとメリットがあったのは、冒頭でもご紹介した通りです。不満はさておき、よくこんな値段で使えるなぁと思う。いまのところ私にとっては必要なものです。

いまどきはフリーランスといっても、いろんなスタンスの人がいます。主婦や学生が小遣い稼ぎで活動しているのをフリーランスと呼ぶ人さえいる昨今ですから、「自分はそういうのじゃなくて、ちゃんと事業としてやっているんだよ」という主張を込める意味でも、事業所としての住所を持っていることは今後大切になってきそうです。

「コワーキングスペース」との使い分け

じつは私はコワーキングスペースも利用しています。コワーキングスペースでも住所を借りることはできますが、あえてそれはせず全く切り離して使っています。

コワーキングスペースの居心地の良し悪しは人間関係に依存する面が大きいので、将来いづらくなる可能性は十分にあります。そこで引っ越しの可能性が出てくる一方、シェアオフィスは無味乾燥で事務的だからこそ流動的な要素がなく、ずっと使っていられます。

総合的には使っててよかったと思います

ちなみに、「そもそもバーチャルオフィスって何?」と思った方はこちらをどうぞ。
»バーチャルオフィスとは?

フリーランスにとって住所ってなかなか難しい問題です。かといって従業員もいないのに事務所を借りるというのも大げさな話、と思う人にとってバーチャルオフィスは検討する価値はあると思います。

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