スケッチブックのサイズまとめ。「F4サイズ」って?どれくらいの大きさなの?
改訂
スケッチブックのサイズについてまとめました。スケッチブックのサイズって表記が独特で大きさがイメージしにくいですね。A規格との比較図なども作ってみましたので、スケッチブックを購入するときの参考にして頂けたらと思います。
目次
スケッチブックのサイズの「F4」「F6」って?
スケッチブックのサイズ表記は、私たちがノートや書類でなじみのある「A4」「B5」などではなく、多くは「F6」など「F」という文字がついています。これは、スケッチブック・油絵のキャンバス・額縁など、画材専用のサイズ規格です。ちなみに、「A4」「B5」といったサイズのスケッチブックも、プロ向けには少ないですが、あることはあります。
「F規格」と「A・B規格」、ポイントは「数字の増えかた」
じつは、F規格とA・B規格は由来も定め方も全く異なるため、直接の関連性はありません。しかしいちばん大きな特徴は、「F4」「A5」などとサイズを数字で表現したときの数字の増えかたが逆ということです。
A・B規格では数字が大きいほどサイズが小さくなるのに対し、Fでは数字が大きいほどサイズも大きくなります。
スケッチブックのサイズ表
スケッチブックの番号とサイズを表にまとめてみました。
サイズ名 | サイズ(mm) | A・Bとの比較 | メモ |
---|---|---|---|
F0 | 185×142 | B6より少し大きい | 電話の横に置くメモ帳くらいの大きさです。 |
F1 | 225×162 | A5より少し大きい | |
F2 | 245×192 | B5より少し小さい | |
F3 | 272×217 | カバンに入る手頃なサイズで便利なのですが、縦長は取り扱っているメーカーは少ないようです。 | |
F4 | 332×242 | B4より少し小さい | 大きめの通勤カバンになら入るかも。 |
F5 | 352×273 | ||
F6 | 407×320 | ||
F8 | 452×379 | A3より大きい | のびのび描けますが、持ち歩くのは結構大変。 |
F10 | 531×460 | 面積がA2と同じ位 | 画板の大きさをイメージすると分かりやすいでしょう。 |
サイズはこのほかにSMサイズ、パノラマサイズのような横長(縦長)、正方形など、シリーズによって独自のものもあります。SMとはサムホールのことで、親指を入れてパレットみたいにホールドしやすい仕様(というか、実際には穴はないけれどそれに由来するサイズ)を指します。
すべてのサイズの取り扱いがあるとは限らない
スケッチブックには多種多様な製品シリーズがありますが、その全てが上に挙げた全部のサイズを取り揃えているかというと、そうでもありません。
F1、F4、F8あたりが多くの商品に存在するボリュームゾーンです。F3は持ち歩きスケッチが好きな私にはちょうど良いのですが、なかなか売っていないというか、ラインナップにないことが多いです。
FとA・Bのサイズの比較図
なじみのあるAやBのサイズとFサイズのスケッチブックを比較してみました。「F4ってどれくらいの大きさなの……?」という疑問が解消するかもしれません。
F4は、A4よりひとまわり大きい。
F8は、A3よりもまだ大きい。
F0はB6と、幅は違うけど似たようなサイズ。
そもそもスケッチブックのサイズ、「F」って何?
FはFigureのF、フランス由来の絵専用のサイズ
スケッチブックのサイズ表記に使われる「F規格」は、19世紀頃からフランスで販売されていた画用木枠のサイズが由来だそうです。
Fはフランス語のFigure、人物画を指します。また、サイズは黄金比率に関係する数値が取られているために、ものすごく中途半端です。「F規格」とは、そもそも絵にふさわしいように作られたサイズ展開なのです。
Aはドイツ、Bは日本
いっぽう「A・B規格」のほうは、皆さんご存知の通り、印刷用紙の規格です。Aはドイツの印刷用紙規格を輸入したもの、Bは江戸時代の日本で公文書に使われた美濃和紙がルーツなのだそうです。
スケッチブックの用紙と種類
スケッチブックの用紙
スケッチブックに使われる用紙には次のようなものがあります。それぞれ用途が違いますので、目的に合ったものを選びましょう。
- 画用紙
- 水彩紙
- クロッキー用紙
- その他特殊なもの
画用紙のスケッチブック
いちばん一般的でよく見かけるスケッチブックは画用紙が用いられています。小学校の図工用、こども向けのスケッチブックもたいていは画用紙です。
画用紙のスケッチブックは比較的安価で手に入りやすく、なおかつ用紙もほどよく丈夫なのでどんな場面でも使いやすいですが、次のような用途が挙げられると思います。
- アイデアスケッチ
- 鉛筆デッサン
- サインペンやコピックによるイラスト
- こどものお絵かき帳として
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水彩紙のスケッチブック
水彩紙とは、水彩絵具に対応できるよう丈夫に作られた紙です。画用紙に比べると分厚く、表面には凹凸があります。一般的な紙の原料はパルプですが、水彩紙はケナフやコットンも使われます。
水彩絵具で絵を描く場合、画用紙ではなく水彩紙を使うことをおすすめします。画用紙は濡れると大きくたわむうえ、耐久性も高くはないので難ありです。水彩紙なら吸水性がよくたわみにくいように作られているので、何度か重ねて塗ったり、水を使ったにじみやぼかしも自由にできます。
水彩紙スケッチブックは次の用途に向いています。
- 水彩絵具を使った絵画、イラスト
- パステル画(紙の凹凸が活かせる)
- 野外スケッチ(少々の雨なら耐えられる)
水彩紙スケッチブックの「パッド」「ブロック」とは
水彩紙のスケッチブックには、「パッド」「ブロック」と呼ばれる形のものがあります。これは綴じ方の種類です。一般的にイメージするスケッチブックは片側を巻いた針金(スパイラル)で綴じていますが、「パッド」「ブロック」は紙の側面をのりで固めたものです。
「パッド」はメモパッドのように片側を綴じたもの、「ブロック」は四辺を綴じたもの、を表すようですがメーカーによって違うかもしれません。
「パッド」や「ブロック」は、紙に穴が開かないという利点があります。描いてそのまま額に入れることができます。また「ブロック」の場合、水張り(紙のたわみを防止するための前処理)をしなくていいのが便利です。
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クロッキー用紙のスケッチブック(クロッキーブック)
クロッキー用紙は画用紙よりも薄い紙です。クロッキー用紙のスケッチブックはクロッキーブックと呼ばれることが多いようです。
クロッキーとは、素早く描きとることです。美大で、人物モデルを5分とか3分で描ききり、それを時間いっぱい繰り返すような授業もあります。数多く描くことに意味があるので、クロッキーブックは薄い紙がたくさん綴じられているのです。
用紙が薄いので、ノートがわりに用いても快適です。ただし絵具やサインペンを使うのには向いていません。
- 鉛筆によるクロッキー
- アイデアスケッチ用ノートとして
- グラフィックデザイナーやイラストレーターのラフ画や打ち合わせノートとして
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特殊な用紙、用途のスケッチブック
他にはこんなスケッチブックもあります。
- 絵はがき専用スケッチブック……はがきサイズに切り取り線がついていたり、ブロック綴じになっている。用紙は水彩紙や特殊和紙など。
- 木炭紙スケッチブック……木炭デッサン用
- ケント紙スケッチブック……製図用など
よく使われるサイズのスケッチブック
持ち運びしやすくいちばんよく使われるのはF4サイズのスケッチブックです。もうすこし画面を大きく使って、スケッチやクロッキーなどしっかり描きたいならばF6、F8がいいでしょう。