制作系フリーランスがよく使う経費の仕訳・勘定科目
確定申告は2月中に終わらせるぞ!おおおー!
この時期、気づいたらやたらと「○○(←レシートの項目) 経費 勘定科目 仕訳」ってググっています。そことでいっちょまとめておくかと、半分は自分のためにこの記事を書きました。
※本当は、帳簿付けは毎日毎月やるべきものだから、この時期だけに検索が増えるのはおかしい!んだけどね。
この記事では、フリーランスでイラスト制作、ウェブ制作をやっている私が経費によく使う勘定科目を、頻出レベルで分けてリストアップしてみました。
ただし帳簿のつけかた、勘定科目の仕訳のしかた、それはもう人それぞれに違うものです。この記事は私の場合は、ということで書いておりますので、その点お含みおきくださいますよう。
出現レベル3 ★★★
気がつくと何度も入力してる、コモンな勘定科目。
[消耗品費・事務用品費・通信費・旅費交通費・広告宣伝費・新聞図書費・会議費]
消耗品費
いちばん頻出かもしれません。デスク周りの必要なもの。書類をしまうプラケースとかペン立てとか。
そういえば100均で買うものはほとんどここか事務用品費ですね。あと私の場合は手描きアナログイラストも受注制作しているので、絵具やスケッチブックなど画材類の代金も消耗品費。
パソコンの周辺機器もだいたい消耗品費でOK。ケーブル類とかハードディスクとか。ペンタブレットとか。でも10万円超えると減価償却の処理がいるよ。いったん資産に組み込んで、数年かけて何分の一かずつ経費にしてくっていうやつ。詳しくは減価償却費の項目を。
あと10万円以下のソフト・アプリも消耗品費にすることも。うちはAdobe CCの代金も消耗品費です。詳しくはこちら。
事務用品費
ペン、ノート、ポストイット、領収証張るための台紙などなど読んで字のごとく。あと、コンビニでコピー機使ったときの代金とか。
別に消耗品費で処理してもいいんだけど、経費はひとつの勘定科目にかたよらないほうがいいっていうので、ペンとかノートとかあからさまに「事務!」っていうものはこっちにしています。まぁたいした金額にはならないけど。
通信費
ネット回線の契約料とか、仕事用の電話代とか。
あとは、郵便物を送るときの切手代とか、納品物を送る小包の代金なんかも「通信」、初めて聞いたときは意外〜って思いました。あとFaxの(家にすでにFaxがないので、コンビニで送っている)利用料とか。
サーバー代を仕訳することもあるけど、それについては広告宣伝費の項目にて。
旅費交通費
打ち合わせにお出かけしたときの電車代、タクシー代など。あと細かいけど駐輪場の代金とかガソリン代とか。
広告宣伝費
名刺を作った時の印刷費とか、営業に使うチラシとかポートフォリオを作る代金など。展示会・商談会の費用なんかも。
あと、うちでよく使うのはレンタルサーバー代とドメイン費。自分とこの事業を宣伝するためにウェブサイトを作ってるんで、そのウェブサーバー代金とドメイン代は広告宣伝費にしてます。
ただし、サーバー代は通信費にする人も多いと思う。ウェブ制作でお客さんのサーバー代まで面倒見てるケースとかも、広告宣伝費じゃおかしいんで、やっぱり通信費かな。こんなふうにサーバーの代金は決め方が難しいんで、「インターネット関連費」ってな項目を立ててそこにまとめて仕訳するって人も多いみたいです。
新聞図書費
本、雑誌、新聞の代金。ニュースサイトを有料契約した代金なんかも。
会議費
会議っつっても一人カンパニーなので、カフェでお客さんやお手伝いの外注さんと打ち合わせしてるときとか、パソコン持ち込んでスケジュール書いてるときとか、のコーヒー代がほとんどを占めてます。法人になると金額の制限があります。
出現レベル2 ★★☆
まあたまに出てくるレアな勘定科目。
[接待交際費・取材費・研修費・地代家賃・外注工賃]
接待交際費
仕事の相手とお仕事のお話ししながら居酒屋で飲んだときの代金とか、打ち合わせでお邪魔するついでにお土産を買ってったときの代金とか。あとは仕事関係の人からもらったお祝いの、お返しとかも。去年は結婚したのでいつもよりかかりました。
取材費
その名の通り、記事を書くときの取材の費用。具体的には移動のための費用、宿泊費、飲食店に払った代金、参考資料として買った現地のお土産など。
継続的に取材をする機会がある人が使うことが多い勘定科目です。例えば、文筆業の人とか、私のようにスケッチ画家的な活動してる人とか、事業に関係あるブログを運営してる人とか。
しかしこれは経理ソフトになかったりとか税務署の説明書に載ってないことが多い、言ってみれば「カスタム科目」的なやつ。勘定科目はむやみやたらに増やさないほうがいいのが原則ではある。そう、取材費って具体的に分解すると、旅行交通費+消耗品費でほぼカバーできちゃうんですよね。なので、継続的に取材をする人以外にはあまり必要ない科目です。
研修費
ほぼセミナー代金。これもうちでは「カスタム経費」で、新聞図書費や諸会費に含めることもできるなあ。
地代家賃
事務所の家賃。自宅の一角を事務所代わりにしてる人は、面積とかに応じて全体の家賃の何分の一かを経費にする(「経費の按分」という)。バーチャルオフィスとか月極コワーキングスペースの代金も地代家賃になることも。
外注工賃
「工賃」てなんだよと思うけど、要するに外注で仕事をお願いした時の費用。「ウェブサイトの制作を請け負って、コーディングだけ他のフリーランスにやってもらいました」とか。
源泉徴収は、払う側がフリーランスで、誰かを常時雇っているのでないならばしなくていい。5万円以内なら謝礼金という扱いも考えられる。
出現レベル1 ★☆☆
そんなに出てこないベリーレアな勘定科目。
[租税公課・諸会費・減価償却費]
租税公課
「租税」は税金、「公課」は公なサービスを受ける時にかかるお金。うちでよくあるのは住民票や戸籍謄本の発行料。これも名前を変えるのに去年は何度も使った。
商工会議所の会費が「租税公課」らしいですが、諸会費じゃん?という人もおり意見は分かれるみたいです。税金つっても年金掛金とか国保料は経費にしないよ!
諸会費
諸(もろもろ)の会費。交流会の参加費とか。でも、交流会はむしろ広告宣伝費だと思う場合も多いので、あんまりつかわないです。あと組合に所属してたときはその毎月の組合費はここに仕訳してました。
減価償却費
10万円以上で長く使うもの(パソコンとか)を買ったとき、それは資産だけど価値が歳を経るごとに下がっていくから経費を何年かにわけて計上する、っていう仕組みがある(=減価償却)。そのときの経費。
でも個人事業主で青色だと、30万円以下は一括で計上できるルールがあるので、ほとんど使わないかも(=少額減価償却資産。ただし届け出が必要)。やり方など詳しくは税務署さんまで。
まとめ : 結局は自分で判断してね!
この記事では、フリーランスである私が実際によく使う勘定科目を挙げてみました。
が、注意してほしいのは、帳簿の書き方は人それぞれってこと。「これの費用はこの科目にしなければならない!」って法律ですみずみまで決まってるわけじゃない(まるで決まってるかのような書き口のブログも散見しますが)。
同じものを買ってもその用途や意味って、時と場合によって違うじゃないですか。だからその時々で判断するしかないんです。
なので、この記事をうのみにしないで、仕訳のしかたは最終的には自分で判断してください。本当に迷ったときは税務署や商工会議所へ、または税理士を契約している人はそこへ聞いてください。
前に確定申告のネタを書いたら私宛に質問を送ってきた人がいたけど、私は税務署じゃないからね!ただたんに、自分が実際に体験したことのなかから、誰かの役に立ちそうなことを書いているだけの身ですから、そこんとこ間違えないようお願いしますね。